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伊藤幸久の妄想特急

彫刻家、伊藤幸久の日々と妄想の物語。

「18:00」

にちようの18:00

遊び疲れたふたりにすい魔がおそう。


「18:00」
「18:00」(H40x240x240cm/陶、水彩絵具、電球、木材/2008年)


付けっぱなしのテレビ

少女はすでに夢の中。


たのしみにしていた

ちびまる子

少年は眠気にあらがう。


少年の耳にテレビの音が入り

目にはぼんやり少女が映る。


18:00が待ち遠しかった少年

16:00の西日がきらいな少年

夕飯は19:30。




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『黙って耐える子供を見た。』

101018-忍耐左斜め
「忍耐」(H75×W25×D30/陶,水彩着色,電球,木の椅子/2008)


この作品には実在のモデルがいる。


私が彼と出会ったのは2008年2月のこと。

某国立大学の大学院入試の帰り、
共に試験を受けた大学の友人Tが観たい展覧会があるというので、

T と私、そしてもう一人の大学の友人 I と3人共だって、
その展覧会が催されているギャラリーへと向かった。

私たちは上野駅から地下鉄に乗り清澄白河駅で下車し、
ギャラリー方面の出口階段へと向かった。

出口階段に差しかかる手前にはトイレがあった。
そのトイレの前には大人のひざの高さほどの縁石があり、
そこに彼が座っていた。

年の頃は3歳ほど、フード付きのコートを身にまといフードを頭にすっぽりとかぶっていた。
フードにはクマの耳と目と鼻が付いていて、彼は熊の威を借りそこに佇んでいるようだった。

彼の横を昼下がりのマダム3人組が通りかかった。
彼女達は声を合わせ、「あら!かわいいわね~!」
と彼に対して大きなリアクションをとりながら通り過ぎる。

彼女らの行動に彼はピクリとも反応しない。
身を屈め、両の拳をギュッとにぎり、空にあるただ一点を焦点も合わさずに見ていた。
彼は意識を自身の中へと集中し、ただひたすらにその状況が過ぎるのを耐えているようだった。

彼はあの時、あの場所で、社会の中にただ一人取り残された状況にあった。
あの時、彼の周りは未知への恐怖で満ち溢れていたことだろう。
しかし、彼にはそれらの恐怖を払拭する術はない。

それでも彼は、泣きもせず、喚きもせず、

ただひたすらに耐え続けていた。

101018忍耐

その後、トイレの中から彼の父親らしき人物が出てきた。
彼はその人物に駆け寄り黙って手を繋いだ‥。

私が彼を目撃したのは、ものの30秒。
その間に一つのドラマを見たようだった。

小さな子供でもああやって不安と戦っている。
自分ももっと辛抱してがんばらないといけない。
そんな思いを残してくれた彼との出会いであった。

その気持ちを忘れないように
本作「忍耐」を制作するに至った訳である。


余談ではあるが、

その後、私たちは
出口階段手前の掲示板に目的の展覧会のポスターを見つけ、
会期が1週間後であることを確認し、
駅から外に出ることも無く、清澄白河駅を後にした。

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ぼくの原点、草壁好男 (クサカベ ヨシオ)。

草壁好男、ご存知ですか?


彼は僕の原点。

妄想の賜物かつ、僕の分身です。



彼は、約9年前、浪人中に僕が初めて制作した人体像であり、

今の制作へと繋がる作品です。


草壁好男blog
「草壁好男」(H250×W150×D50cm/石膏,ミクストメディア/2001)



彼の生い立ちの鍵を握るのは、当時の僕の、ある仮説(妄想)です。



 日下部という名字の人がいるけど、

彼らは、古い建物とかにある、ツタの張り巡らされた壁と何か関係があるんじゃないか。

多分、彼らの先祖が、あの壁のことを草壁と呼び、その壁がたいそう好きなその一族に対し、

太閤、秀吉とかが草壁という名字をつけ、それが転じて日下部となったんじゃないか。



そのような仮説(妄想)を僕は立てた。


その仮説(妄想)から、その一族の末裔を作ろうと試みた。

それが、草壁好男である。



草壁好男(本名、日下部好男)はその子孫であり、一族の中でも草壁好みの血が濃く、

内に秘めたその衝動は計り知れない。

しかし、彼はその衝動を決して他人に見せることはしない。


彼の年齢は当時30歳(2001年)、IT関係の会社に勤めている。

彼の最寄り駅の近くには、古いポルノ映画館があり、

その建物の壁は全面的にツタが張り巡らされている。


会社でストレスが溜まると、彼の衝動は押さえきれなくなる。

「嗚呼、草壁に抱かれたい‥。」


そんな時、彼は会社帰りに、真夜中のポルノ映画館へと足を運ぶ。

そして、一目をはばかりながら、全裸になり、草壁に体をうずめるのだ。


好男の至福の時である。


草壁好男2blog


制作当時、

至福の時を表現するために、うっとりとした表情を。

また、少し品が欲しくて、僕と皇太子様を足して2で割った顔を目指しました。



今では、ポートフォリオにも載せてない作品ですが、

大事な作品なので、この場で紹介させていただきました。


そして、すべての日下部さん、勝手な妄想をして、申し訳ありませんでした。



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我が家のアイドル「カンガルー」のご紹介。

今日は我が家のアイドル、「カンガルー」のご紹介です。


僕のプロフィールのアイコンとしても活躍中の彼、

実は二人組です。


カンガルー
「カンガルー」(H65×W20×D15cm/陶, 水彩着色/2008)


陶土で出来ていて、同じ型から抜いて複製された彼らですが、
乾燥の仕方の違いで、こんなに表情が変わりました。


注目のポーズは、幼少時によくしていたもの。多くの男子が同じポーズをしていたと聞きます。
女子はやらないみたいです。

僕は今でもたまにやります。


以前、金沢のcafe Mojoで展示した際、OZmagazineという全国紙に掲載され、
彼らに会いたくて、わざわざ愛知県から見に来てくれた方がいました。

その時は、すでに展示していなくて、悪いことをしてしまいましたが、
実にありがたいことです!


アートグミには彼らのポストカードまで売られています。


今後も彼らの活躍に期待せずにいられません。



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